尼芋奉納祭のお知らせ②
10月30日(日)午前10時から行われる尼芋奉納祭。
まずは、尼いもについて、ご紹介しましょう。尼いもは、尼崎市の特産品として作られていたさつまいものことで、江戸時代から海沿いの新田地帯で作られ、7月から8月に収穫されていました。最盛期は1905年頃。甘みと香りが強く、京都や大阪では季節の初物として重宝され、時には数倍の値が付くこともあったそうです。
しかし、昭和9年の室戸台風と昭和25年のジェーン台風による高潮で畑が大きな被害を受け、1950年頃には尼崎から姿を消してしまいました。
その尼いもを、公害の町から復活のシンボルとしたいとの声が大きくなり、農業技術研究機構作物研究所が保存していた約1600種類のサツマイモの中から、試験栽培と試食を繰り返し、2003年に復活宣言が行われました。
ちなみに、往時の尼いもの味を知る年輩のかたによると、復活宣言のなされた今の尼いもは「甘くないなあ」とのこと。甘い物があふれている現代、尼いもの甘みを感じられないのか、それとも本当に甘くないのか、は聞かないことにしています(笑)。